転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す
著:十夜
イラスト:chibi
出版:アース・スターノベル
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アマゾンのあらすじより
騎士家の娘として騎士を目指していたフィーアは、死にかけた際に「大聖女」だった前世を思い出す。えっ、これって今ではおとぎ話と化した「失われた魔法」!?しかも最強の魔物・黒竜が私の従魔に!!?でも前世で「聖女として生まれ変わったら殺す」って魔王の右腕に脅されたんだっけ。こんな力使ったら、一発で聖女ってバレて、殺されるんじゃないかしら。…ってことで、正体隠して初志貫徹で騎士になります!書き下ろしはフィーアの聖女の力検証。…のはずが、同行した冒険者たちがワケありすぎ!?


転生したら過去の技術や英知が失われていて、転生能力で最強無双するのは、異世界なろうのテンプレです。その差別化として本作では、大聖女の力を持って転生したことが分かると殺されてしまう、というところです。そこで死の恐怖から力を聖女の力を使わないよう、主人公は用心して過ごそうとします。
でも、常識が大聖女時代で止まっているので、案の定やらかしまくります。

死の恐怖で必死に隠そうとしたかと思うと、考えなしに力や知識を使ったりで主人公は完全なトラブルメーカーです。しかも明後日の方向に理解するので、周囲が苦労します。また本作だと主人公以外は、概ね常識人で勘違いからの、理不尽な主人公アゲをしないのが良いです。優秀なイケメン達が振り回されて苦労する様が、読んでいて面白いです。

2巻目は表紙にいる従魔の黒龍がストーリーの中心となります。また主人公の異常さが騎士団の中で広まっていき、彼女扱いがちょっとづつ変化してきます。もちろん主人公の暴走は一段とパワーアップして、優秀な上司達は悩まされることになります。

3巻目は大聖女時代の行動と、それが歴史となった現在との影響が語られます。これまで迂闊な行動ばかり取る主人公に、そんなに良い印象を感じていませんでしたが、その印象を変えてくれる大聖女と称えられた理由が分かるエピソードがあります。良い内容でした。

あとなろう初の小説でありがちな構成として、コロコロとストーリーの一人称視点が変わります。簡単にキャラの内面や感情を示せるので、読み手に分かりやすい利点があるのでしょうが、メインストーリーが進むテンポが悪くなります。面白いのに良いところで話が進まないのが残念なところです。